車検証を複合機でスキャンして、DocuWorks文書からQRコードを読み取り、ユーザー定義属性に登録後、CSVファイルに出力するシステムを紹介します。
車検証にはQRコードが印刷されており、自動車のナンバーや、車台番号などの情報が記録されています。車検証をシステムで管理するには車台番号等の情報を検索できるように、システムにデータを登録する作業が必要です。
eDocArrangementで、車検証のQRコードを読み取り、情報を項目単位でユーザー定義属性に登録することが可能です。読み取りが出来なかった項目は、手動でユーザー定義属性を登録することとします。
車検証のQRコードは「① ②③④ ⑤⑥ ⑦⑧」のように8個並んでいます。①は有用な情報がなく、⑦⑧は暗号化された文字が格納されています。そのため、実際にデータを取得するのは②~⑥までのQRコードになります。
また、車検証のQRコードは分割QRコードになっており、「②③④」を連結すると一つのQRコードになります。「⑤⑥」についても、連結してデータを取得します。
分割QRコードには、分割数と番号、チェックサムの情報が格納されており、eDocArrangementではこれらの情報を取得することができます。
車検証からQRコード読み取りを行うと、最大8個のQRコードを認識するため、読み取り対象の「②③④」、「⑤⑥」を判別する必要があります。
「②③④」については分割数と番号で特定が可能です。「⑤⑥」は、「⑦⑧」があるため分割数では判定できません。そのため、データの内容やQRコードの位置などを参照し、以下の規則で判定することとしました。
QRコードは印刷品質やスキャン時の解像度等により、読み取りができない場合もあります。車検証はQRコードが比較的小さく印刷されているため、300dpi以上の解像度でスキャンする必要があります。
また、スキャンを行う際にカラー、またはグレースケールでスキャンを行ってください。モノクロでスキャンを行うと認識率が下がります。
弊社で車検証をスキャンして、QRコード読み取りを行ったところ、以下のような結果となりました。
実際の運用では、原紙か、原紙に近い品質のコピーをスキャンできる環境でないと、QRコードを実用的に読み取ることができない可能性があります。
FAXで届いた車検証などは、QRコードの認識ができません。
また、本記事の設定例では、普通自動車の車検証のみ対応しております。軽自動車は対応しておりません。
販社様においては、上記の条件等がある旨をユーザー様にお伝えした上で、ご提案をお願いいたします。
スキャン時の設定 | 認識した数(8個中) |
---|---|
モノクロ 300dpi | 4 |
モノクロ 600dpi | 3 |
グレースケール 300dpi | 7 |
グレースケール 600dpi | 7 |
カラー 300dpi | 7 |
カラー 600dpi | 7 |
スキャン時の設定 | 認識した数(8個中) |
---|---|
モノクロ 300dpi | 4 |
モノクロ 600dpi | 6 |
グレースケール 300dpi | 8 |
グレースケール 600dpi | 8 |
カラー 300dpi | 8 |
カラー 600dpi | 8 |
この結果、スキャンはカラー、またはグレースケールの300dpiで行って、QRコード読み取りの出力解像度は400dpiにするのが最適と判断しました。
QRコードに格納されているデータのフォーマット仕様は国土交通省から情報提供がされており、スラッシュ(/)区切りのテキストとなっています。
読み込みができたQRコードからテキスト情報を取得して、/で分割し、ユーザー定義属性に設定を行います。分割QRコードの最後のQRコードだけが読み込めた場合などは、後方からデータを取り出すようマクロを作成しました。
また、QRコードが一部読めない場合は、取得できるデータも部分的に欠損してしまいます。その場合は、欠損した部分に「[要補完]」という文字を付加するようにしました。
データが全て読み込めた場合は、ファイル名を車台番号にリネームし、「30_CSV出力」フォルダに移動します。データの一部が読み込めなかった場合は、「20_要補完 」フォルダに移動します。
ユーザー様は「20_要補完 」フォルダのファイルを確認し、欠落した情報を手入力で補完し、CSV出力フォルダに移動する運用とします。
XDW文書に登録されたユーザー定義属性から情報を取り出し、CSVファイルに出力します。XDW文書は「50_処理済」フォルダに日付のフォルダを作成し、移動します。ファイル名は車台番号にリネームします。
ユーザー定義属性に車台番号が登録されていない場合は、「45_エラー」フォルダに移動します。
出力されたCSVファイルを、他のシステムで読み込む場合、CSVファイルの出力中に他のシステムがファイルをオープンしてしまう可能性があります。
そのため、eDocArrangementでCSVファイルを出力した後で、同名(拡張子が.end)のendファイルを出力するようにしています。
他のシステムでCSVファイルを読み込む場合は、endファイルの存在を確認してからCSVファイルを読み込むようにしてください。
以下から、設定ファイルとフォルダ構成の圧縮ファイルをダウンロードできます。(デモの実行は、必ずeDocArrangement Version1.8.23以降をご利用ください。)
解凍後、eDocArrangement.iniを以下の場所にコピーしてください。(eDocArrangementは終了した状態でコピーしてください。)
Cドライブの直下に解凍してください。以下のフォルダが作成されます。
eDocArrangementのメニュー > 実行 > フォルダ監視を行う をクリックするとフォルダ監視が開始されます。