この資料について

「NAS に置くと処理が遅い」「ときどき処理が止まる」といったご相談をいただいたときにお渡ししている資料です。パソコン・NAS・ネットワークの規格によって、速さと信頼性がどれほど違うかを、2026年の主流と最新の規格で比べています。数値は一般的な目安で、機器や使い方によって変わります。

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この資料の要点

約 60倍遅い
社内の NAS(有線 LAN 1 Gbps)は内蔵 SSD より。内蔵 SSD で 1 秒の読み込みが約 1 分に
約 600倍遅い
古い LAN(100 Mbps)の NAS。内蔵 SSD で 1 秒の読み込みが約 10 分に
約 4.5分
300 MB の図面を 100 Mbps の LAN で 10 人が同時に開いたとき
1〜2台
100 台のハードディスクのうち 1 年に壊れる台数(管理の行き届いたデータセンターでも・2025年)
  • NAS はネットワークの先にあるため、内蔵の SSD よりも大幅に遅くなります。ファイルの数が多いとき・ファイルが大きいとき・使う人が多いときほど、差が大きく開きます。

  • 一時ファイルとログは、必ずローカルストレージに置いてください。eDocArrangement2 を動かすサーバーの内蔵 SSD です。NAS に置くと遅くなるだけでなく、障害の原因も記録に残りません。

  • USB でつなぐ外付けのストレージは、処理や保管の場所に使わないでください。省電力の機能やケーブルの緩みで、接続が切れることがあります。

  • 安価な NAS・ハードディスクは、故障や停止が起きやすくなります。文書を処理するシステムでは、ディスクの不調がそのまま業務のトラブルになります。冗長化・停電対策・バックアップを備えた構成をおすすめします(10. 可用性を高めるには)。

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速さを決める 2 つのもの

ファイルの読み書きの速さは、「転送の速さ」と「応答の速さ」の 2 つで決まります。

速さたとえるとよく効く場面
転送の速さ
(MB/秒)
道路の車線の数。1 秒間に運べる荷物の量です。大きなファイル(図面・カラーのスキャン・画像の多い PDF)を読む・書く
応答の速さ
(ミリ秒)
1 往復にかかる時間。荷物の大きさによらず、行って帰るまでの待ち時間です。ファイルの数が多い(フォルダを調べる・小さなファイルを次々に処理する)

NAS は、どちらの速さも内蔵の SSD より遅くなります

NAS はネットワークの先にあるので、「車線」はネットワークの太さに制限され、「1 往復」にはネットワークを行き来する時間が加わります。大きなファイルでも、数の多いファイルでも遅くなります。

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ローカルディスクと NAS の通り道の違い

内蔵の SSD は PC の中で直接つながっています。NAS は、いくつもの機器を通った先にあります。

ローカル(サーバーの内蔵 SSD)

eDocArrangement2(サーバーの中)

内蔵 SSD
PC の中で直結(PCI Express)

通るのは PC の中だけです。1 回のやり取りは 0.1 ミリ秒以下で終わります。

NAS(ネットワークの保存装置)

eDocArrangement2(サーバーの中)

Windows のファイル共有の処理

LAN アダプター ・ LAN ケーブル

スイッチ(ハブ)

NAS の LAN ・ NAS の CPU(ファイル共有の処理)

NAS の中のディスク
多くはハードディスク

通り道が長く、行きと帰りの両方で機器を通ります。1 回のやり取りに 0.5〜10 ミリ秒かかります。

1 つのファイルを扱うたびに、何回も往復します

ファイルを 1 つ読むだけでも、「ファイルがあるか・開いてよいか」「大きさと日時」「中身」「閉じる」のように、何回かのやり取りがあります。NAS では、その 1 回ごとにネットワークを往復します。

置き場所1 回のやり取りの時間(目安)
内蔵 SSD(NVMe)0.02〜0.1 ミリ秒
NAS(有線 LAN)0.5〜2 ミリ秒
NAS(Wi-Fi)2〜10 ミリ秒
別の事業所の NAS(VPN)10〜50 ミリ秒
小さなファイル 1,000 件(4,000 回のやり取り)の待ち時間
内蔵 SSD(NVMe)
約 0.2 秒
NAS(有線 LAN)
約 4 秒
NAS(Wi-Fi)
約 20 秒
別の事業所の NAS(VPN)
約 2 分

棒は待ち時間です(長いほど時間がかかります)。最も時間のかかるものを最長にしています。範囲のあるものは真ん中の値で計算しています。NAS の中がハードディスクで、まだ読んだことのないファイルなら、さらにディスクの待ち時間(5〜12 ミリ秒)が加わります。

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規格ごとの速さ(2026年)

2026年の主流の規格と最新の規格を、主流 最新 古い の印で示します。「主流との比べ」は、表ごとに主流の規格(「基準」の行)と比べて、何倍速いか・何倍遅いかを示します。

ストレージ(データをしまう装置)

種類転送の速さ(目安)主流との比べ応答の速さ2026年の位置づけ
ハードディスク(パソコン用)100〜190 MB/秒約 50 倍遅い10〜15 ミリ秒古い 新しいパソコンではほとんど使われません。
ハードディスク(NAS 用・業務用)200〜290 MB/秒約 30 倍遅い5〜12 ミリ秒主流 大容量の保管用。1 台で 30 TB を超える製品も出ています。
SSD(SATA)約 550 MB/秒約 13 倍遅い約 0.1 ミリ秒ハードディスクからの置き換え用。
SSD(NVMe・PCI Express 4.0)5,000〜7,400 MB/秒基準0.02〜0.1 ミリ秒主流 今のパソコン・サーバーの標準です。
SSD(NVMe・PCI Express 5.0)10,000〜14,900 MB/秒約 2 倍速い0.02〜0.1 ミリ秒最新 高性能なパソコン・サーバー。
300 MB のファイルを読む時間
ハードディスク(パソコン用)
約 2.1 秒
ハードディスク(NAS 用・業務用)
約 1.2 秒
SSD(SATA)
約 0.55 秒
SSD(NVMe・PCI Express 4.0)
約 0.04 秒
SSD(NVMe・PCI Express 5.0)
約 0.02 秒

棒は待ち時間です(長いほど時間がかかります)。最も時間のかかるものを最長にしています。

SSD はハードディスクと比べて、転送の速さで数倍〜100 倍、応答の速さで 100 倍以上速くなります。ファイルの数が多い処理ほど、この差が効きます。

つなぎ方(PC の中のバスと USB)

つなぎ方規格の上限実際の速さ(目安)主流との比べ2026年の位置づけ
SATA(SATA 3)6 Gbps約 550 MB/秒約 13 倍遅い2.5インチの SSD・ハードディスク。
PCI Express 3.0(×4)32 Gbps約 3,500 MB/秒2 倍遅い古い 数年前の PC の NVMe SSD。
PCI Express 4.0(×4)64 Gbps約 7,000 MB/秒基準主流 今の PC・サーバーの NVMe SSD。
PCI Express 5.0(×4)128 Gbps約 14,000 MB/秒2 倍速い最新 高性能な PC・サーバー。
PCI Express 6.0(×4)256 Gbps約 28,000 MB/秒4 倍速い最新 データセンター向けの SSD が 2026年に出荷を始めました。PC 向けは 2028年ごろの見込みです。
USB 2.0480 Mbps約 35 MB/秒200 倍遅い古い 古い外付けの装置。
USB 5Gbps(旧 USB 3.0)5 Gbps約 400 MB/秒約 18 倍遅い外付けのハードディスク。
USB 10Gbps(USB 3.2 Gen 2)10 Gbps約 900 MB/秒約 8 倍遅い主流 外付けの SSD。
USB4 40Gbps・Thunderbolt 440 Gbps約 3,800 MB/秒約 2 倍遅い主流 新しい PC の外付け SSD。
USB4 80Gbps・Thunderbolt 580 Gbps約 6,000 MB/秒ほぼ同じ最新 一部の高性能な PC だけが対応しています。

外付けの装置は、中のディスクの速さが上限になります

つなぎ方が速くても、中がハードディスクなら 100〜250 MB/秒です。また、M.2 は差し込む部品の形の名前で、中身には SATA のもの(約 550 MB/秒)と NVMe のものがあります。速いのは NVMe です。

ネットワーク(有線 LAN・Wi-Fi)

「主流との比べ」は、有線 LAN 1 Gbps を基準にしています。比べのために、いちばん上に内蔵の SSD を入れました。ネットワークは、最も速い 10 Gbps でも内蔵の SSD より約 6 倍遅くなります。読む時間の比べは 5. を見てください。

つなぎ方転送の速さ(実際の目安)主流との比べ往復の時間2026年の位置づけ
(比べ)内蔵 SSD(NVMe)約 7,000 MB/秒約 60 倍速いPC の中ネットワークを通りません。
有線 LAN 100 Mbps(100BASE-TX)約 11 MB/秒10 倍遅い0.2〜1 ミリ秒古い 今も多くの会社に残っています(6. を参照)。
有線 LAN 1 Gbps(1000BASE-T)約 110 MB/秒基準0.1〜0.5 ミリ秒主流 社内の LAN の標準です。
有線 LAN 2.5 Gbps(2.5GBASE-T)約 280 MB/秒約 2.5 倍速い0.1〜0.3 ミリ秒主流 新しい PC・NAS・スイッチで広がっています。
有線 LAN 10 Gbps(10GBASE-T)約 1,100 MB/秒約 10 倍速い0.05〜0.2 ミリ秒サーバーどうし・上位の NAS。
Wi-Fi 5(11ac)20〜60 MB/秒約 3 倍遅い2〜10 ミリ秒古い 数年前の PC・アクセスポイント。
Wi-Fi 6・6E(11ax)40〜120 MB/秒約 1.4 倍遅い2〜10 ミリ秒主流 今の PC・アクセスポイントの標準。
Wi-Fi 7(11be)50〜300 MB/秒約 1.4 倍速い2〜10 ミリ秒(混むと数十ミリ秒)最新 次の Wi-Fi 8 は 2028年ごろに規格が決まる見込みです。
VPN・拠点の間の回線1〜10 MB/秒約 20 倍遅い10〜50 ミリ秒別の事業所の NAS につなぐとき。

「Gbps」と「MB/秒」

ネットワークの速さは bps(1 秒間のビット数)で表し、8 で割るとバイトになります。1 Gbps は 1 秒間に約 125 MB で、実際にはやり取りの手間があるので約 110 MB/秒です。Wi-Fi の「最大 ◯ Gbps」は条件がそろったときの値で、実際の転送はその数倍遅くなります。また Wi-Fi は、距離・壁・使う人の数で速さが大きく変わります。

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図面ファイル 1 件を読む時間で比べる

300 MB の図面ファイル 1 件を読み込むのにかかる時間です(転送の時間だけの目安)。

内蔵 SSD(NVMe)
0.04 秒
内蔵 SSD(SATA)
0.6 秒
内蔵ハードディスク
1.2 秒
NAS(有線 2.5 Gbps)
1.1 秒
NAS(有線 1 Gbps)
2.7 秒
NAS(Wi-Fi 6・7)
2〜6 秒
NAS(有線 100 Mbps)
27 秒
別の事業所の NAS(VPN)
約 1 分
NAS(100 Mbps・10 人で同時)
約 4 分 30 秒

棒は待ち時間です(長いほど時間がかかります)。最も時間のかかるものを最長にしています。

内蔵の SSD なら一瞬で終わる読み込みが、古い 100 Mbps の LAN の NAS では 27 秒、ほかの人と同時に使うと数分かかります。実際の処理では、ここにページの画像の変換などの時間が加わります。

図面・カラーのスキャンは、ファイルが大きくなります

A1 判のカラーの図面を 400 dpi で読み取ると、1 ページで数十 MB になることがあります。20 ページの図面一式なら、1 つのファイルが数百 MB です。モノクロ 200 dpi の事務の文書(1 ページ数十 KB)と比べて、千倍以上の大きさになります。

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使う人の数とファイルの大きさで、激しく遅くなります

NAS とスイッチの間の線は 1 本です。同じ時間に使う人が増えると、その 1 本を分け合います。

NAS
この 1 本を
全員で分け合う
スイッチ(ハブ)
1 人に 1 本
利用者 1
利用者 2
… 利用者 30
eDocArrangement2
サーバー

今も多くの会社で、100 Mbps のスイッチ(ハブ)や古い LAN ケーブル(CAT5)が使われています。PC や NAS が 1 Gbps に対応していても、途中に 1 つでも 100 Mbps の機器やケーブルがあると、そこから先は 100 Mbps になります。

同じ時間に使う人数と、300 MB の図面を開く時間

同じ時間に使う人数1 人あたりの速さ
(NAS の線が 1 Gbps)
1 人あたりの速さ
(NAS の線が 100 Mbps)
1 人110 MB/秒11 MB/秒
5 人22 MB/秒2.2 MB/秒
10 人11 MB/秒1.1 MB/秒
30 人3.7 MB/秒0.37 MB/秒
300 MB の図面を開く時間(全員が同時に読み込んだとき)
1 Gbps・1 人
2.7 秒
1 Gbps・5 人
14 秒
1 Gbps・10 人
27 秒
1 Gbps・30 人
1 分 22 秒
100 Mbps・1 人
27 秒
100 Mbps・5 人
2 分 16 秒
100 Mbps・10 人
4 分 33 秒
100 Mbps・30 人
13 分 38 秒

棒は待ち時間です(長いほど時間がかかります)。最も時間のかかるものを最長にしています。

朝の始業時・会議のあと・月末の締めのように、多くの人が同じ時間にファイルを開く場面は珍しくありません。また、中がハードディスクの NAS は、同時に読む人が増えると、ディスクが読む場所を行き来するため、全体の速さも下がります。

例:eDocArrangement2 で 300 MB の図面ファイルを処理する

「読み込む → ページに分けて一時フォルダへ書く → 一時フォルダから読んでまとめ直す → 保管フォルダへ保存する」という処理では、ファイルの大きさの約 4 倍(1.2 GB)のデータが行き来します。置き場所ごとの転送の時間の目安は次のとおりです。「内蔵 SSD」は eDocArrangement2 を動かすサーバーの内蔵 SSD、「一時・ログだけ内蔵 SSD」は入力と保管のフォルダーを NAS(1 Gbps)に置いた場合です。

置き場所1 件あたり1 日 100 件
すべて
内蔵 SSD
約 0.2 秒約 20 秒
一時・ログだけ
内蔵 SSD
約 6 秒約 10 分
すべて NAS
(1 Gbps)
約 11 秒約 18 分
すべて NAS
(100 Mbps)
約 1 分 50 秒約 3 時間
すべて NAS
(100 Mbps・
10 人で同時)
約 18 分約 30 時間
1 日 100 件の転送の時間
すべて内蔵 SSD
約 20 秒
一時・ログだけ内蔵 SSD
約 10 分
すべて NAS(1 Gbps)
約 18 分
すべて NAS(100 Mbps)
約 3 時間
すべて NAS(100 Mbps・10 人で同時)
約 30 時間

棒は待ち時間です(長いほど時間がかかります)。最も時間のかかるものを最長にしています。転送の時間だけで、ページの変換などの処理の時間は含みません。

100 Mbps の LAN で 10 人が同時に使うと、1 日 100 件の転送だけで約 30 時間かかり、1 日で終わりません。同じ設定・同じファイルでも、置き場所とネットワークだけで処理の時間が数千倍変わります。「処理が終わらない」「監視が追いつかない」というご相談の多くは、ここが原因です。

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一時ファイルとログは、必ずローカルストレージへ

一時フォルダとログの出力先は、eDocArrangement2 を動かすサーバーのローカルストレージ(内蔵 SSD)にしてください

NAS・共有フォルダ・USB でつないだ外付けのストレージには置かないでください。

おすすめの置き方です。NAS とやり取りするのは、最初の取り込みと最後の保存の 2 回だけにします。

複合機・
スキャナー
読み取って
保存
NAS
(入力フォルダ)
取り込み
(1 回)
eDocArrangement2
一時・ログは内蔵 SSD
できあがりを
保存(1 回)
NAS
(保管フォルダ)

入力のフォルダ(監視するフォルダ)も、できればサーバーの内蔵 SSD に置き、共有して使ってください。複合機やスキャナーからの保存先をサーバーの共有フォルダにすれば、処理はすべてサーバーの中で済みます。

ネットワークの先に置くと起きること

大幅に遅くなる一時ファイルは、1 件の処理の中で何度も作り・読み・消します。ログは処理の段階ごとに書き込みます。そのたびにネットワークを往復し、図面のような大きなファイルでは転送の時間も加わります(6. の例)。
障害の原因が
記録に残らない
ネットワークが切れたとき、その出来事を書くはずのログ自体が書けません。最もログが必要な場面で、原因を調べられなくなります。
壊れたファイルが
残る
通信が途中で切れると、書きかけの一時ファイルが壊れたまま残り、次の処理のエラーや、誤った結果の原因になります。
ほかの機能に
じゃまされる
NAS のウイルス検査・バックアップ・検索用の索引づくりが、作業中の一時ファイルをつかみ、「ファイルが使用中」で処理が止まることがあります。
ほかの人も
遅くなる
一時ファイルの行き来が NAS とネットワークを混ませ、社内のほかの人がファイルを開く時間も長くなります。
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USB 接続のストレージの注意

USB でつなぐ外付けのハードディスク・SSD を、処理のフォルダや保管の場所にしないでください

USB の接続は、思いのほか簡単に切れます。一瞬でも切れると、処理中のファイルは壊れ、eDocArrangement2 はフォルダが見つからずに止まります。

切れる原因内容
省電力の機能Windows や外付けケースの省電力の機能が、しばらく使わないと接続を休ませます。戻るときに失敗すると、ドライブが見えなくなります。最新の USB4 でも起きます(弊社の環境でも確認しています)。
ケーブル・差し込み口振動・引っかけ・差し込みの緩みで、一瞬だけ切れることがあります。
電源の不足USB から電源を取る装置や、電源のない USB ハブは、電力が足りないと不安定になります。
ドライブ文字が変わるつなぎ直しや再起動で E: が F: になると、設定したフォルダが見つからなくなります。
熱小型の外付け SSD は、続けて書き込むと熱で速度が落ちたり、止まったりします。

外付けのストレージは、バックアップを持ち出す用途にとどめてください。その場合も、つなぎっぱなしにせず、複数台を順に入れ替えて使うと、ウイルス(ランサムウェア)の被害からも守れます。

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ディスクの信頼性と故障率

eDocArrangement2 の処理は、ほとんどが文書ファイルの読み書きです。ディスクの信頼性が、そのまま業務のトラブルの起きやすさになります。

ディスクが不調になると、「処理が途中で止まる」「ファイルが壊れている」「保存したはずのファイルが無い」「急に遅くなった」といった形で表れます。設定やソフトウェアに問題がなくても、こうしたトラブルは起きます。

ハードディスクは、毎年一定の割合で壊れます

クラウドのバックアップ事業者 Backblaze 社の集計では、データセンターで動いている約 34 万台のハードディスクのうち、2025年の 1 年間に 1.36% が壊れました。温度・電源・振動が管理された環境でも、100 台あれば 1 年に 1〜2 台が壊れる計算です。機種による差が大きく、使う年数が長くなるほど壊れやすくなります。

パソコン用のディスクは、24 時間動かす前提で作られていません

種類想定の使い方1 年に動かす時間1 年に読み書きする量保証
パソコン用1 日 8 時間ほど2,400 時間55〜120 TB2 年ほど
NAS 用24 時間(小・中規模の NAS)8,760 時間
(365 日 24 時間)
180〜550 TB3〜5 年
業務用(サーバー用)24 時間(サーバー・大規模な NAS)8,760 時間
(365 日 24 時間)
550 TB5 年

数値は代表的な製品の仕様の例です(Seagate 社の BarraCuda・IronWolf・Exos の仕様書から)。

パソコン用のディスクを 24 時間動かす NAS やサーバーに使うと、想定の 3.6 倍の時間動くことになり、故障しやすくなります。

安価な NAS・ディスクが止まりやすい理由

  • ディスクが 1 台だけの NAS は、そのディスクが壊れると、すべてのファイルが読めなくなります。
  • パソコン用のディスクが入っているものは、24 時間の稼働で故障しやすくなります。
  • 停電や瞬間的な電圧の低下への備え(UPS との連動)がなく、電源が切れたときにファイルやディスクが壊れることがあります。
  • 故障の前ぶれを知らせる機能が弱く、止まってから初めて気づくことになります。
  • 処理能力(CPU・メモリー)が小さく、同時に使う人が増えると極端に遅くなります。
  • 安価なディスクには、書き換えが遅くなる記録方式(SMR)のものがあり、NAS の復旧(リビルド)に長い時間がかかったり、失敗したりする原因になります。
  • SSD も、安価なものは書き込める量が少なく、続けて書き込むと速度が大きく落ちます。
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可用性を高めるには(2026年のおすすめの構成)

業務で使うシステムには、「止まらない(可用性)」と「失わない(データの保全)」の両方を備えてください。

複合機・
スキャナー
有線 LAN
スイッチ
(2.5 Gbps)
2.5 Gbps
eDocArrangement2
サーバー(SSD 2 台)
UPS
(停電対策)
利用者の PC
(1 Gbps 以上)
有線 LAN
2.5 Gbps
業務用の NAS
(RAID 6)
毎日
バックアップ
別の場所
(世代を残す)

おすすめの構成(2026年)

部分おすすめ最低限
サーバー24 時間動かす業務用のサーバー。個人の PC は使いません(スリープ・電源オフ・再起動で処理が止まるため)。常時動かす専用の PC
サーバーのストレージ業務用の NVMe SSD(PCI Express 4.0 以上)を 2 台でミラー(RAID 1)。一時フォルダ・ログ・監視するフォルダはここに置きます。NVMe SSD 1 台+毎日のバックアップ
ネットワーク有線 LAN。サーバーと NAS は 2.5 Gbps 以上、利用者の PC は 1 Gbps 以上。スイッチも 2.5 Gbps 対応のもの。Wi-Fi は使いません。すべて 1 Gbps(100 Mbps の機器は交換)
LAN ケーブルCAT6 以上(2.5 Gbps・10 Gbps にも対応)CAT5e(CAT5 は交換)
NAS業務用の NAS。ディスク 4 台以上で RAID 6(2 台まで壊れても止まらない)。NAS 用・業務用のディスク(CMR 方式)。2.5 Gbps 以上の LAN。NAS 用のディスク 2 台でミラー(RAID 1)
停電対策UPS(無停電電源装置)をサーバー・NAS・スイッチに。停電のときに自動で安全に止まる設定にします。サーバーと NAS に UPS
監視ディスクの状態・RAID・UPS の異常を、管理者に自動で知らせる設定にします。NAS の管理画面を定期的に確認
バックアップ「3-2-1」(コピーを 3 つ・2 種類の媒体に・1 つは別の場所に)。世代を残し、ネットワークから切り離した(書き換えられない)コピーも持ちます。別の装置へ毎日、世代を残して
交換の計画ハードディスクは 5 年をめどに、壊れる前に計画的に交換します。SSD は書き込んだ量を確認します。保証が切れる前に見直す

可用性を高める 5 つの考え方

二重にする

ディスクは RAID で、1 台壊れても止まらないようにします。

停電に備える

UPS で、停電や瞬間的な電圧の低下からファイルとディスクを守ります。

前ぶれをつかむ

ディスクの状態を見張り、壊れる前に気づけるようにします。

失っても戻せる

世代を残したバックアップで、消した・上書きした・暗号化されたファイルも戻せます。

古くなる前に替える

ディスク・NAS・UPS の電池は、年数を決めて計画的に交換します。

RAID はバックアップの代わりになりません

RAID は「ディスクが壊れても止まらない」ための仕組みです。誤って消した・上書きした・ウイルスで暗号化された、といった場合は、RAID の中のすべてのディスクに同じ変更が書かれるので戻せません。RAID とバックアップは、両方そろえてください。

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お使いの環境の確かめ方

  1. LAN の速さ:Windows の「設定」→「ネットワークとインターネット」→「イーサネット」の「リンク速度(受信/送信)」を見ます。「100/100 (Mbps)」なら、途中に 100 Mbps の機器かケーブルがあります。サーバー・NAS・利用者の PC で確かめてください。

  2. LAN ケーブル:ケーブルの側面の印字を見ます。「CAT5」は 100 Mbps 用です。「CAT5e」「CAT6」以上なら 1 Gbps 以上に使えます。

  3. スイッチ(ハブ):本体の表示や型番で、「1000BASE-T」「ギガビット」「2.5G」に対応しているかを見ます。

  4. NAS:ディスクの台数と RAID の種類、入っているディスクの型番(NAS 用か)、買ってからの年数を確かめます。

  5. eDocArrangement2 の設定:一時フォルダとログの出力先が、サーバーの内蔵ドライブ(C: など)になっているかを確かめます。USB でつないだドライブを使っていないかも確かめてください。

付録:用語と参考にした資料

用語

ローカルストレージ
その PC の中にあるディスク(内蔵の SSD・ハードディスク)です。
NAS
ネットワークにつないで、複数の PC で共有する保存装置です。
SSD・NVMe
SSD は半導体のメモリーでできたディスクです。NVMe は SSD を PCI Express で直結する方式で、最も速い種類です。
PCI Express
PC の中で部品どうしをつなぐ道です。3.0・4.0・5.0・6.0 と世代が上がるごとに、速さが 2 倍になります。
RAID
複数のディスクを組み合わせて、1 台が壊れても止まらないようにする仕組みです。RAID 1 は 2 台に同じ内容を書くミラー、RAID 6 は 2 台まで壊れても止まらない方式です。
UPS
停電のときに電池で電気を送り、その間に機器を安全に止める装置です。
可用性
システムが止まらずに使い続けられることです。

参考にした資料

  • Backblaze「Backblaze Drive Stats for 2025」(ハードディスクの年間故障率)
  • Seagate 社の BarraCuda・IronWolf・Exos の仕様書(1 年に動かす時間・読み書きする量・保証)
  • Micron 社の PCI Express 6.0 SSD の発表(データセンター向け・最大 28,000 MB/秒)
  • USB-IF(USB4 Version 2.0)・Intel 社(Thunderbolt 5)・Wi-Fi Alliance(Wi-Fi 7)・IEEE 802.11bn(Wi-Fi 8)の公表している情報

この資料は毎年見直し、その年の主流の規格・最新の規格に合わせて更新します。