変換方式は 2 通りあります

DocuWorks 文書(XDW)を PDF へ変換するとき、変換後の PDF もテキストを持った PDF にする場合と、イメージの PDF にする場合とで設定方法が変わります。それぞれに向き・不向きがあるため、目的に合わせて選んでください。

お勧めはイメージへの変換です

XDW と PDF の相互変換は、どちらも安定性の観点からイメージへの変換をお勧めします。変換後のファイルにページ内のテキストを保持することが必須の場合は、テキストを持ったファイルに変換することも可能です。ただし、その場合は特定のファイルや PC 環境などによってエラーが発生するリスクがあることをご了承ください。

付箋などのアノテーションの文字を検索に使いたい場合は、読み取って PDF の文書属性やデータベースに残せば、PDF がイメージでも検索の対象にできます(5 章)。

1

2 つの変換方式

同じ「XDW → PDF」でも、通り道が違います。テキストを残す方式は DocuWorks Viewer で仮想プリンター(DocuWorks PDF)へ印刷し、イメージ方式はページを画像にしてから PDF を作成します。

方式 A ─ テキストを持った PDF にする

変換元XDW
(テキストあり)
DocuWorks Viewer
で印刷
仮想プリンター
(DocuWorks PDF)
テキストを
保持したまま
変換後PDF
(検索できる)

方式 B ─ イメージの PDF にする

変換元XDW
ページを
イメージ化(dpi)
イメージから
PDFを作成
テキストは
失われる
変換後PDF
(イメージ)

比較表

比べるところ

A:テキストを保持

B:イメージ変換

ファイルサイズ

小さい
元の文書がテキストを持っている場合

大きい
dpi による

テキストの検索

できる

できない
アノテーションの文字は文書属性などに残せば検索に使える(5 章)

処理の速さ・負荷

遅い(重い)
DocuWorks Viewer と仮想プリンターを使用するため

軽い
dpi による

変換の安定性

やや低い
特定のファイルや PC 環境などによってエラーが発生するリスクがある

高い

変換元のテキスト

保持される

失われる

サーバーで実行する場合

追加ライセンス不要
DocuWorks PDF は DocuWorks に付属。eDocArrangement2 に同梱の printToPdfFromDocuWorksFile を使う

追加ライセンス不要
eDocArrangement2 + DocuWorks のインストールだけで動作

変換元がイメージ XDW の場合

どちらの方式でも、変換後の PDF のページはイメージになります(方式 A では、テキストのアノテーションの文字だけが PDF の文字として残ります)

用紙からはみ出したアノテーション

どちらの方式でも、用紙の外の部分は切れます(5 章)

2

変換後の PDF をテキストを持った PDF にする場合

DocuWorks Viewer で XDW を開き、仮想プリンター(DocuWorks PDF)へ印刷して PDF を作成します。eDocArrangement2 からは、同梱のコンソールアプリケーション printToPdfFromDocuWorksFile をコマンド実行で呼び出します。元の XDW が持っているテキストや線のデータが、そのまま PDF に残ります。

メリット
  • ファイルサイズが小さくなる(元の文書がテキストを持っている場合)。

  • テキストの検索が可能。テキストのアノテーションの文字も PDF の文字になる。

  • 文字や線が画像にならないため、細い線も劣化しにくい。

デメリット
  • DocuWorks Viewer と仮想プリンターを使用するため処理が遅い(重い)。PC の負荷が高い。

  • 変換の安定性がやや低い。特定のファイルや PC 環境などによってエラーが発生するリスクがある。

  • 用紙からはみ出したアノテーションは、見た目だけでなく、用紙の外にある文字も PDF の文字から欠ける。

サーバーで実行する場合も追加のライセンスは不要です

XDW から PDF への変換は、サーバーで実行する場合も追加のライセンスは不要です(PDF から XDW へのテキストを保持した変換とは異なります)。DocuWorks PDF は DocuWorks に付属している仮想プリンターです。

printToPdfFromDocuWorksFile を使うときの注意

  • 作業フォルダ(-wf)は、書き込みのできるフォルダを指定してください。指定しないとインストールフォルダの下に作業用のフォルダを作ろうとするため、書き込みの権限がないとエラー(終了コード 37「ジョブキューフォルダーの作成に失敗しました」)になります。

  • 変換中は、プリンターキューを開かないでください。Windows 11 の 24H2 で、不完全な PDF が作成される問題があります。

  • DocuWorks 9.1 の DocuWorks PDF の圧縮オプションで JPEG2000 は不安定です。JPEG か Zip をお勧めします。

Windows11 のバージョン 24H2 アップデートによる影響について

https://www.technostyle.net/edoc/edocarrangement2/24h2_printer/index.html

変換元がイメージの場合

変換元の XDW がイメージ(スキャンした文書など)の場合は、この方式で変換しても変換後の PDF のページもイメージになります。ページ内のテキスト検索はできません。

3

変換後の PDF をイメージの PDF にする場合

XDW の各ページをイメージに変換し、そのイメージから PDF を作成します。プリンターを使わないため処理が軽く、動作が安定します。自動処理や大量のファイルの処理に向いています。eDocArrangement2 では次の 2 つの方法があります。

方法

特徴

PDF 変換(パネル)

監視フォルダの XDW をそのまま PDF に変換します。圧縮方式・解像度・減色(256 色グレースケール・白黒など)を指定できます。XDW のほか、TIFF・JPEG・PNG などのイメージファイルや PDF も変換できます。

イメージ PDF 出力(マクロ DW_OUTPUT_PDF_IMAGE)

XDW 文書オープンで開いている文書を、マクロで PDF に出力します。ページの範囲・解像度・カラー/白黒・圧縮を指定できます。アノテーションの移動・削除や、表示/非表示の切り替えと組み合わせられます。

メリット
  • イメージの変換で PDF が作成できるので処理が軽い(dpi による)。

  • 変換の安定性が高い。

  • eDocArrangement2 + DocuWorks のインストールだけで動作可能。

デメリット
  • ファイルサイズが大きくなる(dpi による)。

  • PDF の中のテキスト検索ができない。

  • 変換前がテキストを持った XDW の場合、テキストは失われる。

テキストは残りません

変換前がテキストを持った XDW であっても、イメージ変換を行うとPDF の中のテキストは失われます。アノテーションの文字を検索に使いたい場合は、5 章の方法で文書属性やデータベースに残してください。

4

どちらを選ぶか

「変換後の PDF にページ内のテキストを保持することが必須か」と「変換元の XDW がテキストを持っているか」の 2 点で決まります。

  • 変換後の PDF に、ページ内のテキストを保持することが必須ですか?
    検索の要否がいちばん大きな分かれ道です。アノテーションの文字だけを検索したい場合は「必須ではない」です。
    • 必須 → 変換元の XDW はテキストを持っていますか?
      スキャンした文書などはテキストを持っていません。
      • 持っている → 方式 A(テキストを持った PDF)
        プリンターを使うため処理は重くなります。特定のファイルや PC 環境などによってエラーが発生するリスクがあることをご了承ください。
      • 持っていない → 方式 B(イメージ変換)
        元がイメージなら方式 A で変換してもページはイメージになります。処理が軽く安定するイメージ変換を選びます。
    • 必須ではない → 方式 B(イメージ変換)
      処理が軽く、変換の安定性が高い方式です。アノテーションの文字は、文書属性やデータベースに残せば検索に使えます。
5

付箋などのアノテーションの扱い

アノテーションは、XDW の見た目どおりに PDF に描かれます。方式 A では、テキストのアノテーション(付箋の上の文字を含む)の文字も PDF の文字になります。

用紙からはみ出したアノテーションは切れます

DocuWorks では、付箋などを用紙の外にはみ出して貼ることができますが、PDF は用紙の範囲だけを出力するため、どの変換方法でも用紙の外の部分は切れます(PDF 変換パネル・イメージ PDF 出力・DocuWorks PDF への印刷の 3 つで確認)。DocuWorks PDF への印刷では、用紙の外にある文字が PDF の文字からも欠けます(例:「数量訂正あり, 要確認」→「訂正あり, 要確認」)。

変換前のXDW
変換前の XDW(DocuWorks Viewer)。付箋が右と上にはみ出している
そのまま変換したPDF
そのまま変換した PDF。用紙の外の部分が切れる

切れないようにするには(変換前に XDW を加工する)

変換の前に、eDocArrangement2 で XDW のアノテーションを加工します。元の文書を残したい場合は、コピーした文書を処理してください。

加工のしかた

内容

用紙内に収まる位置へ移動する

「DWアノテーション取得」で付箋を取得し、ページの幅・高さと付箋の位置・大きさを比べて、はみ出していれば用紙の端まで内側へ移動します(マクロ DW_SET_ANNOTATION_POSITION)。付箋の全体が PDF に写ります。DocuWorks PDF への印刷では、付箋の文字も全文が PDF の文字になります。ただし、移動した付箋が帳票の文字に重なることがあります。

文字を取得してから削除する

付箋の上の文字を取得してから付箋を削除し(マクロ DW_REMOVE_ANNOTATION)、PDF に変換します。取得した文字は、PDF の文書属性(カスタムプロパティ)に設定します(マクロ PDF_SET_DOCUMENT_ATTRIBUTE)。

移動してから変換したPDF
用紙内に移動してから変換した PDF。付箋が切れない
文字を取得して削除してから変換したPDF
文字を取得して削除してから変換した PDF。文字は文書属性「付箋1」「付箋2」… に入る

アノテーションの文字を検索に使う

アノテーションの文字は、「DWアノテーション取得」で元の XDW から読み取ります。そのため、PDF の見た目で切れていても、用紙の外にあっても、全文を取得できます。種類に「付箋」を指定し、属性の条件を付けなければ、位置に関係なくページ上の付箋をすべて取得します。

取得した文字を PDF の文書属性やデータベース、テキストファイルなどに残せば、PDF がイメージでも検索の対象にできます。PDF の文書属性は、Adobe Acrobat の「文書のプロパティ」の「カスタム」タブなどで確認できます。

6

弊社での試験結果(例)

eDocArrangement2 Version 2.6.16・DocuWorks 9.1.7・Windows 11 Pro の PC で、同じ文書を 3 つの方法で PDF に変換した結果です。PC や文書によって変わります。

テキストを持った XDW(A4・1 ページ・設定例の「決裁申請書」)

方法

PDF の大きさ

PDF の中の文字

変換の時間

A:DocuWorks PDF への印刷

125 KB

残る

約 3 秒(コマンドの開始から PDF ができるまで。DocuWorks Viewer の起動を含む)

B:PDF 変換(パネル・既定の設定)

168 KB

残らない

1 秒未満

B:イメージ PDF 出力(200dpi・カラー)

166 KB

残らない

1 秒未満

イメージの XDW(A4・4 ページ・200dpi・付箋 7 枚)

方法

PDF の大きさ

PDF の中の文字

A:DocuWorks PDF への印刷

556 KB

付箋の上の文字だけが残る(用紙の外にある文字は欠ける)

B:PDF 変換(パネル・高画質 JPEG)

995 KB

残らない

B:イメージ PDF 出力(200dpi・カラー)

653 KB

残らない

方式 A では、イメージ XDW とテキストを持った XDW を 5000 ファイルずつ、計 1 万ファイルを約 9.5 時間で変換できた試験もあります(7 章の設定例のページ)。

7

設定例

実際の設定手順は、方式ごとに次のページで説明しています。

方式 A
テキストを持った PDF

テキストを持った XDW から、テキストを持った PDF に変換する場合の設定例です。

XDW から PDF に変換(テキストを持った PDF を作成)

https://www.technostyle.net/edoc/eDocArrangement2/page25_new/index.html

方式 B
イメージ変換

PDF 変換(イメージ PDF へ変換)の設定例です。イメージ PDF 出力のマクロは、マクロリファレンスをご覧ください。

逆方向
PDF → XDW

PDF から DocuWorks 文書への変換は、次のページで説明しています。

PDF から DocuWorks 文書(XDW)への変換方法

https://www.technostyle.net/edoc/edocarrangement2/PdfToXdw.html