ここでは運用に関する技術情報等を紹介します。
運用・保守については以下のサイトでも情報公開しておりますので、あわせてご覧下さい。
eDocArrangementでは、ファイルを扱う処理が多く、監視フォルダや移動先にアクセス権を設定することもあるかと思います。
テスト環境では、アクセス権の設定をせずにテストを行い、ユーザー様の環境で実行するときに、アクセス権を設定したところ、正常に動作しないということもあると思います。
ファイルのアクセス権について、詳細に説明することはできませんが、知っておくとよい情報を紹介します。
ファイル移動とファイルコピーはファイルを別のフォルダに移すという意味では同じですが、細かい部分で色々と違いがあります。
以下は同一ドライブ内の移動、又はコピーについてです。別ドライブへの移動は、コピーと同じ挙動となります。
原則的に、上記のような動きとなります。そのため、ファイルのアクセス権はファイル移動の場合は、移動後も移動元のアクセス権のまま変化しません。
ファイルコピーはファイルが移動先に新しく作られるため、移動先フォルダのアクセス権を継承します。
これらの挙動は、ファイル移動、コピーを行うアプリケーションを実行しているユーザーの権限に関係なく、上記のルールが適用されるようです。
Windowsのエクスプローラーは、Windowsのバージョンアップと共に、機能が進化しています。見た目は同じようですが、細かい仕様が変化しています。
例えば、ファイル名の並び変えについて。以前はファイル名を単純な文字比較で並び変えを行っていました。
「1.txt」と「002.txt」では、単純な文字比較ですと、最初の文字の「1」と「0」を比較するので、0の方が小さいと判断し、「002.txt」が先頭に表示されていました。
しかし、Windowsのあるバージョンからは、ファイル名が数値として判断できる場合は、数値としての並び変えを行い、「1.txt」が先頭になるように変化しました。
この並び変えの判断はエクスプローラーのプログラムが行っているだけで、全てのアプリケーションが同じ動きをするわけではありません。
eDocArrangementのフォルダ監視時のファイルの並び変えは、単純な文字コードの並び変えなので、エクスプローラーと同じにはなりません。
ファイルのアクセス権についても、現在のエクスプローラーは同一ドライブのファイル移動時に、移動先フォルダのアクセス権を継承する機能があります。
eDocArrangementのファイル移動は、Win32APIを使ったファイル移動なので、移動先のアクセス権を継承する機能はありません。
そのため、移動元(ファイルが生成されるフォルダ)に移動先に付与したいアクセス権を設定するか、アレンジメントのファイル移動を使わず、ファイルコピーを使用して、コピー後に削除するような処理にする方法が考えられます。
アクセス権を設定する必要がある場合は、ファイルシステムについて熟知した技術者がフォルダのアクセス権、アプリケーションを実行するユーザーの権限等を適切に設定する必要があります。
もし、技術的な知識が十分でない方が設定しなければならない場合は、まず最初に、アクセス権を設定しない環境で動かしてみてください。
eDocArrangementを実行するユーザー(サービスで動かす場合は、サービスのコンパネのログオンタブで設定するユーザー)も、最初は管理者権限で実行してください。
その状態で処理が正常に動くことを確認してください。その後、ユーザーのアクセス権だけ変更して、テストを行い、その後、フォルダのアクセス権を変更してテストを行うという方法を試してみてください。
そうすることで、設定の内容に問題があるのか、動作環境に問題があるのか切り分けができると思います。